Xi Frame の不都合な真実

このBlog はNutanix アドベントカレンダー2019 2枚目の12/15分です。

主観時間12/15です。
毎度毎度の遅刻野郎ですみません…

続けてのXi Frame ネタですが、今回はXi Frameの不都合な真実についてカミングアウトしたいと思います。

各種セミナー等でFrame を紹介する際に「最速1時間で展開できます!」なる事を言って回っているんですが、出来るだけ誠実に真実をお伝えすると「1時間で展開できるが”使える”とは言ってない」です。


何が?
Frame の最速展開をする場合、ワークロードの展開先はAWS やAzure といったパブリッククラウドを利用する形になります。(on AHV だと最速でも+1時間必要)AWS やAzure をワークロード展開先として利用する場合、展開するVM のSandbox(ゴールデンマスター)はそれぞれのクラウド上で提供されているテンプレートから選択する形になりますが、現在テンプレートとして提供されているOS は英語版のみで、そのままでは日本語を利用する事が出来ません。
そのため、日本のユーザーがパブリッククラウドでFrame を使える状態にするためには手始めにOS の日本語化を行う必要があります。この作業がある為1時間で展開するだけでは「使えない」という訳です。
AWS で選択可能なテンプレート

当たり前ですが、Frame on AHV 環境でSandbox として利用するVM を日本語版Windows で作成した場合はこれらの作業は必要ありません。


Sandbox の日本語化
Xi Frame ではSandbox に対してアプリなどをインストールし、それをゴールデンマスターとしてユーザーが利用する仮想マシンを展開します。よって、OS の日本語化作業はSandbox に対して1度だけ行えばOKです。
以下にAWS 環境でFrame を展開する場合のSandbox 日本語化の手順を説明します。

【作業概要】
 1. Sandbox VM に日本語言語パックをインストールし、表示言語を日本語化
 2. システムロケールや地域などを日本に変更
 3. 不足しているフォント(MS明朝やメイリオ等)を追加インストール
 4. デバイスマネージャーでキーボードを「106/109 Japanese」に変更

この説明で「あーはいはい、あの作業ね」となる方はこれ以降の記事はお読み頂かなくても大丈夫です。


1. 言語パックのインストール
通常、英語版Windows を日本語化する場合はコントロールパネルの「Language」メニューから日本語言語パックをインストールすれば良いのですが、AWS 上で提供されるWindows Server 2016 ベースのFrame テンプレートでは通常の方法(オンラインでダウンロード)で言語パックのインストールが出来ませんので、他の手段をとる必要があります。

やり方としては言語パックのオフラインインストールですが、通常の手段で言語パックのiso イメージを入手するためにはMSDN のアカウントやWindows のボリュームライセンス契約が必要になります。これらの契約が無い場合は一旦別の環境で言語パックをオンラインで入手し、"C:\Windows\SoftwareDistribution" フォルダに保存されているlp.cab をSandbox VMにコピーするという方法を取る必要があります。
通常表示される言語パックのダウンロードリンクがありません

入手した言語パックをSandbox VM にコピーし、「ファイル名を指定して実行(Run)」から「lpksetup.exe」を実行し、ウィザードに従い言語パックをインストール。



2. システムロケールの変更
コントロールパネルの「Language」メニューで「日本語」のオプションメニューを開き「Make this the primary language」をクリックし、ポップアップに従い一度ログオフします。 再度Sandbox に接続し、コントロールパネルより「地域」を開き、「場所」や「システムロケール」「ようこそ画面と新しいユーザーアカウント」を全て日本および日本語に変更します。
ポップアップに従い、Sandbox VM を再起動します。



3. フォントのインストール
これは最近とある方から指摘されて気が付いたんですが、上記手順で日本語化を行っても、通常日本語版Windows に標準搭載されている「MS 明朝」や「メイリオ」といった一部のフォントが入っていません。
MS ゴシック等は入っているがMS 明朝が無い
Windows Server 2012R2では言語パックの追加でこれらのフォントもインストールされていたのですが、どうやらWindows Server 2016 ではWindows 10と同様に標準搭載フォントの整理が行われ、その整理対象になってしまったようです。

【参考】

この省かれてしまったフォントをインストールするにはWindows 10に関しては上のリンク先記載の方法で追加可能ですが、Windows Server 2016 では設定メニューの違いにより同様の方法が使えません。
※少し調べた範囲では正規の方法が分かりませんでしたので、ご存知の方はコメント下さい。
今回は少々力技ですが日本語版Windows からフォントファイルをコピーする方法でインストールしました。

通常フォントはファイル形式で「C:\Windows\Fonts」に存在していますので、この中から必要なフォントをコピーします。Sandbox に対してはファイルのUpload 機能などを利用してコピーします。コピーしたフォントファイルを右クリックして「インストール」を選択する事でフォントのインストールが可能です。

これでメイリオ等のフォントが使えるようになりました。


4. キーボードを日本語106/109へ変更
テンプレートVM のキーボードレイアウトは言語と同様に英語版になっていますので、そのままでは「@」などの一部のキーがキートップの表記通りに入力できません。こちらもSandbox VM のキーボードを日本語キーボードに変更する必要が有ります。

デバイスマネージャーを開き、キーボードを展開して「標準 PS/2 キーボード」を右クリックし、「ドライバーソフトウェアの更新」をクリックします。


ドライバーの更新ウィザードが起動するので、下記の手順で日本語キーボードへ変更します。
1. 「コンピューターを参照してドライバーソフトウェアを検索します」をクリック
2. 「コンピューター上のデバイスドライバーの一覧から選択します」をクリック
3. 「互換性のあるハードウェアを表示」のチェックを外す
4. (Standard keyboards)の右側のリストより「Japanese PS/2 Keyboard(106/109 Key)を選択して「次へ」をクリック
5. 互換性が無い旨のアラートは「はい」をクリックして続行します
6. インストール完了後に再起動

以上の手順でキーボードレイアウトの日本語化が完了します。


まとめ
Xi Frame on パブリッククラウドで日本語環境を利用する場合はこの手順の様に少し手間が掛かりますが、Sandbox に対して一度設定をすれば後は通常の日本語版OSと同様にご利用頂けます。
今後日本国内での採用が増えてくればテンプレートとして日本語版も用意されるはずなので、その日を心待ちにガンガン使っていきましょう。

それでは。



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